2014年3月10日月曜日

神武寺石切り場跡


神武寺ブランド池子石


神武寺裏山から鷹取山にかけて、大々的な石切り場跡がみられます。後述する俳句石切り場付近にあった解説版によれば、明治の末頃から大正時代にかけて、この周辺の山から灰褐色の凝灰岩を切り出していたそうです。ここから切り出された石材は「池子石」と呼ばれていました。また「鷹取石」が競合となっていたとありましたが、これだけ近接したエリアながら、お隣の鷹取山とは石の種類が違ったのでしょうか。それとも、地図で確認すると、大磯の方に同じく鷹取山という山があるので、そちらのことでしょうか。ちょっとわかりません。

Google Map 神武寺
①東逗子駅 ②表参道 ③神武寺 ④鷹取山 ⑤裏参道 ⑥神武寺駅

俳句石切り場跡


神武寺裏参道(地図画像⑤)の出入口付近に横穴型、もしくは洞窟型の巨大な石切り場跡があります。本当に大きいんです。巨大な施設の廃墟にでも紛れ込んだのかと思いました。画質を明るく補正しています。暗くて無駄に広いので、少し不気味な雰囲気です。

俳句が刻まれた壁面

そして特筆すべきは、壁面に俳句が刻まれていることです。一文字の大きさがだいたい成人男性の胴体部分ぐらいあったでしょうか。以下はその俳句です。

「ふり向けば うしろにも居り みちおしえ」

「みちおしえ」とはハンミョウという名の甲虫で、人が歩く先に止まる習性があることから付けられた別名なんだそうです。俳句のクオリティーは判断する人それぞれかと思いますが、字体がキレイですよね。この堅い岩に刻んでいるんですよ、さすが職人技と言わざるをえません。一画に何故かお供え物が置かれていました・・。どういう意味でしょう。

お供え物 


神武寺裏山 医王山・金比羅山


神武寺裏山から石切り場跡の様相となっています。薬師堂から尾根に向かう途中、少しだけコースアウトすると、石切りの影響なのか、地形がひな壇状のようになっています。よく鎌倉の丘陵部でも見かけます。ここで気付きましたが、どうやら鎌倉にある微妙な段状地形は、石切りの影響もあるのかもしれません。

神武寺裏山石切り場跡

文字が刻まれている一画があります。「石にかんむり」という見たこともない文字と「榊」という文字が刻まれていました。石切り場跡の記事でも触れましたが、石切り職人さん達はどうやら独自の文字、もしくは業界内だけで通じる文字を持っていたようです。また、修験の場であった神武寺なので、修行していた人が何か文字を刻んでいたりしないのかと考えたところ「榊」という文字がそういった意味で怪しいと思いましたが、その後に天園ハイキングコースでも「榊」と刻まれていた箇所を見つけたので、どうやら石切り業界用語で何かを意味するだけのものみたいです。

文字が刻まれた箇所


ハイキングコース沿い


神武寺から鷹取山に向かう尾根道ハイキングコース沿いは、比較的大き目の岩石が転がっています。石切り作業を突然止めたかのような様相です。突然石切り場が閉鎖されたのでしょうか。また、丘陵斜面の傾斜が急です。石切りの影響かと思われます。切り出された石は、ソリやトロッコで運ばれたそうですが、こんな丘陵頂部からこんな大きな石を運んだんでしょうか。

急峻な崖

こちらでも石に文字が刻まれた箇所がいくつかみられます。上で紹介したプロの職人さんの彫り方と異なるのは一目瞭然です。神武寺で修行していた人が何かその過程で石に刻んだりしないのかと考えましたが、見た感じ、現代のハイカーが削ったものと思われます。それでも修験に関する文字がないか抽出してみましたが、やっぱりさっぱりです。下画像はその刻まれた文字を追記しています。ただ、こうして見ると名前って訳でもなさそうですね。


モモさんという方が記念に自分の名前を彫ったようですが、一箇所では満足いかなかったのか、少し離れた石にもまた刻んでいました。どんだけ「思い出を残したい症候群」なんだろうとツッコミたい気持ちでいっぱいです。もう一方ののモモと削ったすぐ近くに「パパ」と削ってあったので、もしかしたら旦那のことをパパと呼ぶタイプかもしれません。フェイスブックやツイッターなどのSNSでリア充を必死にアピールして嫌われる人に多いタイプでしょうか。



鷹取山


鷹取山も石切り場として活用されており、さらに現代では公園のような形で整備されているので、往時は一体どんな山だったのかを想像するのに難しい地形をしています。ただ、見晴らしの良さといったらありません。ロッククライミングが出来る岩場がいくつか設けられていますが、これも石切り跡を利用したのかもしれません。石切り場跡だったという歴史を残しつつ公園として整備する素敵な手法だと思いました。




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探索期間 2011年9月~2013年5月
記事作成 2014年3月10日


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