2013年10月16日水曜日

今泉不動 称名寺


山号寺号 今泉山一心院称名寺
建立   元禄六年(1693)
開山   直誉蓮入
開基   -


不動堂を祀る称名寺(地図画像⑧)は、鎌倉寺社には珍しい滝のあるお寺です。鎌倉旧市街地を覆う丘陵の外にあるので、ちょっと遠いかもしれませんが、なかなか素敵なところです。最寄り駅は大船駅⑩か北鎌倉駅⑤になりますが、歩いて行くのは厳しいと思うので、大船駅からバスで行くのが無難かもしれません。ちなみに私は鎌倉駅①からレンタルサイクルを利用して向かいました。その他、天園ハイキングコースから今泉に下山するという選択肢もあります。

Google map 鎌倉
①鎌倉駅 ②鶴岡八幡宮 ③建長寺 ④明月院 ⑤北鎌倉駅 ⑥多聞院 ⑦白山神社・今泉寺 
⑧今泉不動・称名寺 ⑨散在ガ池 ⑩大船駅

上地図画像で示したルートで向かうと、建長寺・明月院・浄智寺・東慶寺・円覚寺と、魅惑の禅寺ゾーンを通り過ぎることになるので、今泉不動は、有名な鎌倉の寺社をだいたいめぐったという方にオススメです。だってそうじゃないとこの辺り立ち寄らずにはいられません。

今泉


ということで北鎌倉周辺を通り過ぎ今泉へ。そもそも今泉という地名は、弘法大師が訪れた際に水が湧き出たことにその名が由来します。そしてこれから向かう今泉不動がその伝承の地のようです。

今泉不動称名寺の六地蔵

今泉不動称名寺縁起


『鎌倉市史 社寺編』によれば、元々は真言宗で弘法大師空海の創建という不動堂の別当寺がありました。貞享元年(1684)に直誉蓮入(ちょくよれんにゅう)が本堂を再興し、元禄六年(1693)に増上寺の末寺となって現在の山号・寺号となりました。また『かまくら子ども風土記』には、源氏将軍や北条氏が必ずここに参拝していたとありました。

陰陽の滝


入口の六地蔵を過ぎると称名寺本堂があります。本堂は木のイイ匂いがプンプンしていたので、ごくごく最近に建てられたようです。

本堂

本堂を過ぎて崖を下りるように進むとあるのが、今泉不動のメインイベント、陰陽の滝です。サイズの異なる2つの滝があります。それぞれ「男滝」「女滝」と呼ばれています。マイナスイオンたっぷりの空気に癒されることでしょう。夏は涼しくて快適で、紅葉期は景観が美しいのでこれまた素敵です。

陰陽の滝 男滝(夏季)
陰陽の滝(紅葉期)

滝の近くには石造物が置かれていたりと、雰囲気があります。また鎌倉遺構探索的にメインイベントとなるやぐらを見ることができました。やぐらは一つしかないので、たぶん葬送目的の横穴ではないのでしょう。

やぐら

不動堂


「不動堂は寺よりさらに谷の奥の200m程入った元不動と称するところにあったと云い、今その跡に小さな石の不動が置いてある」と市史にありました。ちょっとその元不動なる場所が分かりませんでしたが、現在の不動堂はここから急坂を登った丘陵頂部平場にあります。

不動堂へと続く階段
不動堂

お不動さまの奥にはかなりの数の石像仏が置かれています。境内案内板に、大日如来・三十六童子とありました。

石像仏群

元不動か?謎の裏山遊歩道


境内の案内板には、裏山尾根が遊歩道として紹介されていましたが、崩落でもあったのでしょうか、封鎖されています。しかしこの鎌倉最北の地にある今泉不動の裏山です。本当は一般拝観者には見せたくない聖地か何かを隠しているんじゃないでしょうか、怪しいです。そこで、お不動さまに立入りの許可をお願いしたところ、OKの返事が天から聞こえてきたような気がしたので、ちょっとだけその封鎖されている遊歩道に踏み入ってみました。

禁断の遊歩道

以前は遊歩道として開放されていただけあって、立派な尾根道です。そして石祠を見つけることができました。もしかしてこれが市史の云う元不動でしょうか。さらに尾根道を進むと、なんと、事前に地図で確かめればわかることですが、ゴルフ場がすぐそこです。というか本当にすぐそこです。こちらの落ち葉を踏む音がプレイヤーにも聞こえるのではないかと思う程の至近距離にあります。ここで思いましたが、遊歩道は崩落などによって通行禁止になったのではなく、単にゴルフ場を憚って通行禁止にしているのではないかと思いました。ましてや私が期待するような、一般には見せられない聖地があるとかいうファンタジーな展開では決してなさそうです。残念。

石祠 市史の云う元不動か?

散在ガ池


今泉不動の近くに散在ガ池と呼ばれる自然がたくさん残された場所があります。さすが鎌倉の最果ての地といった雰囲気です。そのまま天園ハイキングコースへと向かうことができます。

散在ガ池



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カテゴリー 探索記事(エリア別 岩瀬・今泉
記事作成 2013年10月16日


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