2013年6月28日金曜日

瑞泉寺十境ハイキングコース


夢窓疎石が瑞泉寺造営の際、十境(地)を定めたと云われています。それが紅葉ヶ谷、天台山、獅子岩、羅漢石、睡虎石、寒山石、拾得石、葆光窟、天女窟、貯清池です。岩・石の類が何処にあるのか分かりませんが、どにかくこの十境の地が瑞泉寺境内から天台山までをも含むようです。せっかくなので、夢窓疎石が定めたこの十境を堪能してみましょう。ということで、瑞泉寺裏山から天台山・天園まで行ったところで、下山し、また瑞泉寺からも近い永福寺跡に戻ってくるというコースを今回選定しました。名付けて「瑞泉寺十境ハイキングコース」です。距離にして3~4km程、所要時間は速い人で30分、どんなに遅い人でも2時間もかからないと思います。

Google Map 瑞泉寺
①入口 ②杉本城跡遺構 ③禅窟やぐら付近 ④古道跡・やぐら群 ⑤貝吹地蔵 
⑥切岸付近 ⑦天園 ⑧平場 ⑨切通し路 ⑩永福寺跡

地図画像番号はチェックポイントで順序を表します。また、瑞泉寺裏山は天園ハイキングコースの一部ともなっています。

①②瑞泉寺からも近い場所に天園ハイキングコース入口があります。切通し路を登って尾根に出ると、天園方面とは別に反対側にも道があります。ちょっと寄り道して行きましょう。


この辺りは『鎌倉市史 考古編』によるところ、杉本城跡の一部と考えられています。 美しいまでにエグいほど堀割っていて、尾根道を見下ろすような一段高い道があったりもします。東勝寺にもこんな箇所がありました。


その先は現在寸断されてしまってますが、当時であれば尾根を伝えばそのまま鎌倉御所や浄妙寺に向かえたはずです。

③ハイキングコースに戻って少し進むと、瑞泉寺裏山遺跡の記事でも記しましたが、私が勝手に禅窟やぐらと呼称している窟穴付近に、大々的な土砂崩れがあったのか、景色が急に開けるポイントがあります。 画像を見ての通り、瑞泉寺を直下に眺め、遠くまで展望出来るポイントです。反対側では胡桃ヶ谷の宅地造成された味気ない住宅地が広がっています。


④切通し古道跡がハイキングコースからも確認できます。この辺りから地形に大々的な造作の跡がみられます。ひな壇状にやぐら群がしばらく続き、一覧亭跡を横目に進んで行きます。

しばらく削り跡のみられる趣きのある道が続きます。地図画像④と⑤の間には鎌倉期の宝篋印塔が安置されているお塔の窪やぐらに向かえる道と、瑞泉寺の隣の小谷戸に抜ける道があります。 こちらは地元の方が「もう最近は使わない」と言っていました。石切り場跡などが確認できます。


⑤しばらく行くと、急に土地が開ける場所に出ます。


ここには貝吹地蔵と呼ばれる石像が置かれています。東勝寺で自刃した北条高時の首を新田勢に渡すまいと逃れてきた残兵をお地蔵様がこの辺りまで導いてくれたそうです。 そのお礼にこうして地蔵が祀られているそうです。ここからも近い北条首やぐらと共に、元弘の乱に関する伝承がこれだけ至近距離で重なり合っています。首やぐらは本当に北条氏一門のお墓なのかもしれませんね。

貝吹地蔵

⑥この辺りハイキングコース沿いに切岸がみられます。石切り場跡でしょうか。この辺りからまた少しコースアウトできる箇所があるのですが、その先はこんな地形になっていました。


百八やぐらの近くにもこのような形状がみられましたが、個人的にはこれは偶然に出来た自然のものではなく、何かしらの意図による人工的な造作に思えて仕方ありません。が、結局なんなのかは未だに分かりませんが、間近で見ると結構目を惹く造作なんですよ。

⑦ハイキングコースの分岐点ともなる天園です。 建長寺、明月院(明月谷)のある山ノ内方面(北鎌倉)に、朝比奈・金沢方面、そして二階堂へと戻る道と三叉路になっています。お茶屋さんが二軒あるので、ここで飲食するなり、飲料を購入するなり、休憩することができます。 そしてちょっとした展望をここから臨めます。鎌倉中心部がはるか向こうに見え、地図上で分かっていても、随分と鎌倉の奥地にいるんだということを実感できます。

左に由比ヶ浜と鎌倉市街が、右にうっすら富士山が見えます

⑧今回はここから二階堂に戻ります。やはりここ一帯は石切り作業が行われていたようで、壁面にそれらしい跡が残っています。 またこの辺りは錦屏山という瑞泉寺の山号のごとく、秋は紅葉が見所のスポットです。申し訳ありませんが、私は鎌倉に来て緑の美しさを再認識しているところです。 なので、今回は(も)緑の画像を使用しました。緑大好きです。


⑨天園から下りてくる頃からだんだん雰囲気が変わってきます。朝比奈峠坂のように、道なりに一緒に川が流れているので、水分・湿気が多く、鎌倉でよく見かけるシダが生い茂っています。


二階堂の住宅地に出るまで、このような趣きのある切通し路が続きます。素敵な散策路なんですが、鎌倉遺構探索という観点からは、この切通しは立派過ぎるので近現代のものでしょうか。


やがて山道も終わり、住宅街となり少し歩いた所で永福寺跡に到着です。私が鎌倉遺構探索をはじめた2011年にはちょうど公園として整備される直前だったようで、瑞泉寺及び天園ハイキングコースなどに訪れる度、その出来上がる過程を見る事ができました。画像は2012年9月のものです。写っている大きな石は庭園に使われていたもので、ここから発掘された本物だそうです。


以上で十境ハイキングコース終了です。さて、夢窓国師の境地に少しは近づけたでしょうか。


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カテゴリー 探索記事(エリア別 二階堂・天園
記事作成  2013年6月28日

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