伊豆滝山不動-鎌倉遺構探索

伊豆滝山不動

伊豆の国市韮山の東側にある多賀山地寄りに伊豆滝山不動明王は所在します。ここでは山奥にある滝にその不動明王が祀られているのですが、まさに観光客が「そうそう伊豆まで来たからにはこういうのが見たかった」となる素敵な史跡です。

基本情報

名称　：滝山不動堂
住所　：静岡県伊豆の国市韮山山木
料金　：なし
駐車場：有り

入口はというと、なんと富士見パークウェイという伊豆スカイラインにつながる自動車道のヘアピン部分を丘陵部側に入って行くというマニアックさです。

入口・・

入口から旗上不動を経て岩石の転がる旧態地形を登るように進むと不動の滝と奥の院、そして文覚上人が祈願所とした洞窟があります。それでは行ってみましょう。

伊豆滝山不動案内板

旗上不動

入口から近い場所に旗上不動明王が祀られたお堂があります。源頼朝が旗上げする際に文覚上人と共に祈願崇拝した不動明王だとありました。

そして「頼朝公の霊」「文覚上人の霊」などと不動堂にまつわる歴史上の人物の名が記された卒塔婆が置かれていました。しかし「佐藤勝」さんという謎の人物が一人紛れ込んでいたため気になって仕方がありません。誰・・。

旗上げ不動堂の卒塔婆

それでは不動の滝を目指し丘陵を登って行きます。それにしても辺り一面が巨石だらけです。修験道の山でよくみかける岩石ゴロゴロ地形です。

岩石ゴロゴロ地形

なんか人の顔に見える

転がっている岩石に規則的な切り口がみられます。何となく気付いてはいましたが、石切りがここで行われていたようです。ですからこの岩石が転がる荒々しい光景は石切り場跡の様相も含まれています。

石切りの痕跡

穴や隙間に何かを祀るのはどこも同じ

不動の滝・奥の院

頂部が見えてきました。頂部平場にまたお堂があります。これがお不動様の奥の院みたいです。まるで秘境の史跡。素敵。

滝山不動奥の院

そして不動の滝はというと、水量はあまりありませんが、画像にオーブが写ってしまっているように、水しぶきが散っている様子が伝わるかと思います。

不動の滝

頂部には以前の名残りなのか、古そうな祠などがあって素敵な雰囲気です。それにしても快晴の日曜日だというのに誰もいません。この史跡の独り占め感がたまりません。

滝山不動奥の院

頂部の案内板には韮山の名手で江川家35代目の当主が開いたとあります。その後、奉納されていた不動明王が盗難にあったようで、36代目の英龍が江戸のお勤めに出かけた際、日本橋の骨董品屋でその盗難された不動明王を見つけ買い戻したという逸話が紹介されていました。江戸時代では大変栄えていたとのことです。

不動の滝

文覚上人隠窟

文覚上人隠窟というものがあります。案内板にこの洞窟が毘沙門堂までつながっていると言い伝えられているとありましたが、これは洞窟によくあるお決まりの伝承でしょうか。洞窟は入口部が狭く、もし入るのであれば寝転がらなければ行けません。覗いた感じでは奥がないように思えます。

ちなみにGoogleMapで計測したところ、ここからその毘沙門堂まで直線で引いても1.3Ｋｍあります。本当につながっていたとしても、余程の重装備で臨まないと入ったら生きて帰ってこれないんじゃないかと思えてきます。